館山まるごと博物館めぐり(団体向けプログラム)
逆さ地図で日本列島の頂点に位置する館山は、戦争遺跡をはじめ、海を通じて交流・共生した歴史文化や自然遺産があふれたエコミュージアム(屋根のない博物館)です。そこに暮らした人々の思いや願いが見え、そのつながりの中に自分が今ここにいることを感じさせてくれる学びのガイドツアー。
この体験の楽しみ方
一番人気の赤山地下壕は、日米開戦前から掘り始めていたという証言のある巨大な戦争遺跡です。内部の壁面には隆起した美しい地層と、丁寧に掘られたツルハシの跡に目を奪われます。希望に応じて、戦闘機を格納した掩体壕や、特攻艇「震洋」基地跡、砲台跡、弾薬庫跡などもめぐれます。
座学ではスライドを用いて、ハワイ真珠湾と館山湾の地図の比較や、沖縄県と千葉県、アメリカの本土侵攻計画「コロネット作戦」と大本営の作戦地図の比較などが興味深いです。
最も驚いたのは、敗戦直後の1945年9月3日に米占領軍3,500名が上陸し、館山のみ4日間の「直接軍政」が敷かれたことで、これは試金石となるモデル占領だったようです。
戦争末期には「花作り禁止令」によって、花畑を芋畑に変え種苗の焼却が命じられたなかで、花の種を命がけで守った人びと。韓国済州島から出稼ぎにきた海女や、渡米して器械式潜水で成功した房総アワビ漁師たち。江戸期に遭難し漂着した異国船を救助し、世話をした人びと。…この地に暮らした先人たちのストーリーも見えてきます。
戦争遺跡だけではなく、世界とつながった「平和の文化」を学べます。平和祈願のハングル四面石塔、「南総里見八犬伝」で知られる里見氏城跡、青木繁「海の幸」ゆかりの漁村など、魅力的なコースを組み合わせることもできます。
「館山まるごと博物館」のスタディツアーは、教科書を学ぶだけでは見えなかった物語が魅力です。誇らしげにまちを語るガイドとのふれあいを通じて、この地に生きた先人たちの姿を身近に感じ、自分の暮らす地域、日本、そして世界に対しても親密な愛情が湧いてきます。館山で学んだ物語をヒントに、自分の住む地域をもっと深く知りたくなるでしょう。
開催日程
通年
所要時間
応相談。3時間~
(座学なし・赤山地下壕のみは1時間)
料金
2000円~(行程・時間・日数によって異なります)
※座学・昼食会場・行程は応相談。
赤山地下壕のみの場合は1人あたり500円。
対象年齢
小学生以上
定員
10名以上の団体
学年旅行の場合、半日でバス4台まで可能。
各クラス(バス)を2班に分け、約20人単位で時間差を設けて見学
(10名未満の少人数の場合は直接ご相談ください。)
備考
持ち物や予約等はホームページを御覧ください
赤山地下壕無料ガイドサービス
毎月第一日曜日午前に実施。
・対象=個人・家族・小グループ、予約不要。
・豊津ホール(赤山地下壕受付)に直接おいでください。
・ガイドは無料ですが、入壕料は各自負担。
※随時ご案内しますが、ガイドスタッフが案内中で不在の場合もあります。
※但しコロナ感染者拡大や諸事情により中止の場合もあります。
NPO法人安房文化遺産フォーラム
TEL 0470-22-8271館山市北条1721-1
取材スタッフ後記
今回は館山まるごと博物館めぐりガイドツアーに参加させていただきました。
戦時中、戦後、自分が住んでいる館山はどういう所なのか、その場その場に行き、目では見えない過去の事までも、丁寧に詳しく楽しく説明していただきました。
個人でただ観光をしに行って見て回ってくるよりも、五感で感じながら想像力も膨らませ、楽しく貴重な時間を過ごせました。
歴史を知る事で、今後何処か旅行などに行った時に同じ様な洞窟など見つけたら、教わった事を思い出して調べて見ると面白い発見が沢山あるのかもしれないと思うとよりワクワクした人生になりそうだなと元気がもらえるツアーでした。